フェイスリフトの術式の選択においては、効果の程度、持続性とともに、その安全性をも考慮する必要があります。
フェイスリフト手術を行なうにあたって、SMAS、retaining ligamentはその効果の程度、持続性を考えるうえで大変重要です。
どうぞお気軽に当院スタッフにお尋ねください。
フェイスリフト手術を行なうにあたって、とりわけSMAS、retaining ligamentはその効果の程度、持続性を考える上でとても重要です。
SMASについては多数の解剖学的研究が行なわれて、特に中央(内側)部における鼻唇溝との関連について明らかにされてきましたが、これらの見解では、従来より行なわれてきたlimited SMAS法(SMASを耳下腺の範囲内で剥離・挙上する方法:Ltd-SMAS法)では鼻唇溝は改善しない、ということになります。そこでSMASの剥離を耳下腺の範囲を超えて前方は大頬骨筋の内側まで広範に行うextended SMAS法(以下Ext-SMAS法)が開発されました。この方法はSMAS下での剥離の際にretaining ligamentもすべて切離し、十分な可動性が得られた後に引き上げており、鼻唇溝の改善も含めその効果だけを考えれば優れた術式です。
フェイスリフトの術式の選択においては、効果の程度、持続性とともに、その安全性をも考慮しなければなりません。
Ext-SMAS法はBarton、Hamraらにより、一過性とはいえ開瞼障害、上口唇麻痺などの合併症が報告されています。
実際にExt-SMAS法は手技的にも難しく、SMASは耳下腺を越えて前方に剥離していくと薄くなっていき、大頬骨筋のすぐ外側では非常に裂けやすい。さらに難しいのは、大頬骨筋の外側でsuperior masseteric ligamentからSMASを剥離する際、顔面神経頬骨枝が近接しており、細心の注意が必要となります。SMASの処理に関しては、SMAS plicationはその縫合位置が問題となり、耳前部だけのplicationでは皮弁法と大差なく、効果的な方法ではありません。
しかし、広範にSMAS前方部までplicationを追加すると、鼻唇溝改善に関しても持続的効果が得られます。
Lateral SMASectomyは安全に短時間で行える手術ですが、その効果は従来からSMAS弁と同等以上の効果が得られます。
従来より行われてきたSMAS法は簡便で安全な手術法ではありますが、頬部(特に鼻唇溝)に関してはその効果の程度、持続性に関しては限界もあります。なぜならSMASと大頬骨筋との結合部における解剖学的関係、retaining ligamentの存在によるためです。
SMASを耳前部だけで引き上げ効果を出すには、東洋人のような頬骨、エラが張っている顔面骨格をもつ人種には難しく、そこで当院では頬骨隆起部(malar eminence)を境にSMASに対する引き上げ固定法を2つに分けて考えています。SMAS前方部(頬中央部)ではSMAS plicationを行い、SMAS後方部(耳前部)ではSMASectomyを行います。次にretaining ligamentを切離することにより皮弁の可動性がよくなり、後上方への引き上げ効果は大きくなります。
しかし、切開創での縫合のみで引き上げた皮膚を支えることにも限界があります。切離したmasseteric ligament、zygomatic ligamentを皮弁引き上げ位置でSMAS側に固定することにより創部緊張が緩和され、傷が早期から目立たず効果の持続性改善にも役立ちます。手技は多少煩雑ですが、その安全性、効果を考えた場合には大変すぐれた術式です。